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このページの項目


1 擁壁のある土地の購入計画の注意点と購入価格の考え方
   (かしこいリスク管理と擁壁宅地選択の考え方)

2 擁壁宅地の長所と問題点 (関東地方)

3 具体的な考え方と計算方法

4 現状擁壁の耐久性、安全性の確認方法についての
      トータルランニングコストの算出方法について

5 ダイヤ設計の簡易診断
・コンクリート診断士・地盤品質判定士による診断・


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1 擁壁のある土地の購入計画の注意点と購入価格の考え方



    


①擁壁宅地購入時において、既存の擁壁が購入後どの程度まで問題なく使用可能なのか?

②現状のままで継続していても、今後問題はないのか?

③現状の敷地状況で将来補修工事は可能なのか、又どのような補修工事をする必要性があるのか?

④現状の擁壁で建築確認は可能であるのか? 
又建築計画時に擁壁に力学的に負担をかけないように杭地業による基礎工事の必要があるのか?

⑤売却時には不合理な価格査定の提示をされないのであろうか?


このように擁壁宅地の購入には通常の宅地購入とは異なり、擁壁敷地の購入計画時にいろいろな問題や少し難しい判断が必要となり、購入者が不安になることとおもわれます。

通常擁壁により造成された宅地は不動産の「近隣条件」がほぼ同じであれば、擁壁のない土地よりも約30%程度以上土地の価格は低く評価されて販売されるのが普通です。
(場合によっては通常取引価格が成立しないような土地もあります。)

販売価格が格安であることも魅力的に設定されているのが普通です。

ハウスメーカーや一般購入者にとって、擁壁宅地購入の判断に迷う所です。
そこで、擁壁宅地取得の参考となるアドバイスを述べてみたいとおもいます。



   
2 擁壁宅地の長所と問題点(関東地方)


長 所

①冒頭に述べた通り擁壁宅地の場合、新設分譲地(開発許可取得済)以外の築後数十年経過した土地は、かなりの格安感のある価格で販売されているのが普通です。

②擁壁で造成された宅地は通常高台の丘陵部にある場合が多く、宅地として低地部よりも景観が優れている場合が多い。

③擁壁の施工場所は丘陵部や低い山地に建築されるのが一般的である。
このような場所の地盤は、比較的安定したいわゆる地山(洪積ローム層等)で構成されている為地下水面も高く、液状化や不同沈下の恐れのあるいわゆる<軟弱地盤>は少ないといえます。

④都内であれば、元総理の住んでいた<目白台>、下町情緒のある<谷中周辺>や<鎌倉>等の住宅地として人気のある土地は、擁壁宅地である場合が戦前からも多い。



     


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問題点

①経年劣化している擁壁の場合、地震時や大雨時に崩壊する可能性がある。

②その擁壁が購入計画地に建築されその所有権がこちら側ある場合、擁壁に変状が発生した場合には隣地所有者側から擁壁の改修や、新規建て直し等の請求を受ける可能性があります。擁壁がらみの近隣トラブルに発展する可能性があります。

③最初の購入コストが相対的に割安であっても、その後の維持管理の為のコストが発生するため結果的には割高になる可能性がある。

④既存擁壁が建設時において、建築基準法による工作物(高さ2m以上擁壁が対象)の確認申請や検査済証の交付をうけていない場合。

  (市長村によっては、このような擁壁は擁壁とは認めず、既存建物の再築の場合に簡単には
   確認の交付が受けられない可能性があります。維持管理が良好であっても確認済証・検査
   済証のないものは、安全な擁壁とみなされません。

   建築基準法では、建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、その建築物の敷地、
   構造及び建築設備を、常時適法な状態に維持保全するよう努力義務を課しています。)



   
3 具体的な考え方と計算方法


近傍類地の取引価格-購入予定価格=擁壁宅地の減価学(X)とし、購入後の擁壁の維持管理費用等を(Y)とします。

擁壁宅地の減価学(X) > 擁壁の維持管理費用等(Y)

この不等式で(X)が大きいほど、土地購入者の取得指向や期待は大きくなるはずです。
そこで問題となるのは(Y)の適切な算定方法です。
購入者には一番悩ましい問題となるところです。


維持管理費用等(Y)としては、その価格の大きい順から下記項目があります。

1. 解体及び再構築費用 (現状で現に危険であるような擁壁の場合)
2. 補強工事費用 (一部構造的に問題箇所がある場合)
3. 補修工事費用 (現状以上に劣化の進展を防止する必要がある場合。又その為の作業スペースがあるのか。この作業スペースの問題は補強、補修工事の算定価格に大きく影響します。)

前記のリスク項目を適切に考慮してその概算金額を見積り、擁壁宅地の減価額(X)より小さければ、その宅地を購入したとしても問題がないと考えます。


   
4 現状擁壁の耐久性、安全性の確認方法についてのツール


国土交通省作成によるチェックリストによる方法

この方法を利用すれば、素人でも少し勉強すればある程度の判断は可能です。
(このチェックリストは、誰でも国交省のHPから入手できます。)

購入者自らがこのチェックリストでの判定の結果、『危険度評価区分』4以下の場合で「小」と判定された場合には、宅地としては良好な土地であるといえるはずです。


このチェックリスト利用の問題点

基本的には目視による方法である為、かなり安全側で評価すために築後30年程度経過した擁壁の場合、ほとんど「危険度中又は大」と判定されることになります。


具体的判定の仕方

<コンクリート擁壁>のチェックリスト項目を利用してある擁壁を判定する場合、約50種のチェック項目があり、それぞれの項目ごとに変状による重要度により点数がきめられおり、合計点数により以下のように評価されることになります。

『危険度評価区分』

  4以下の場合  小
  8以下の場合  中
  9以下の場合  大


例えばある擁壁に、一か所擁壁の目地部に2cm以上の前後のずれがある場合、この項目だけで6点と計上され、危険度は中と判定されることになります。

50のチェック項目で安全とされる小と判定されることは、まず困難であることが判ると思います。

一部上場大手の不動産開発業者の分譲で分譲後15年以内の分譲地の擁壁であれば、まず問題はないと考えられますが、そうでない場合は既存擁壁について個別的にその安全性等を確認する必要があります。

我が国で建物や工作物の『構造問題』についてある程度行政が関与しその内容を真面目にチェックし始めたのは、いわゆる2005年の構造計算書偽造問題(姉羽事件)以降のことであります。

それ以前においては「特殊建築物 」以外の物件を除いては確認申請においても実質的な構造計算のチェック等は、行政側には人的にも能力的にも行ってもいなかったという時代背景がありました。

コンクリートのひび割れ一つの原因にも、多くの要因があります。
現実的にはコンクリート擁壁でひび割れの発生しない擁壁などほとんどありません。

それが単なる乾燥収縮によるものか、地盤の不同沈下に起因する構造的原因によるかにより擁壁安全性は大きく異なります。

補修や改修費用にも大きく影響することになります。
建築後20年以上経過している擁壁の判定にはこのチェックリストでの判断だけではなかなか難しいのが現実です。

劣化の程度により再度の構造計算、地盤調査、コンクリートのひび割れ判定、コンクリート試験等を行い、具体的、個別的に判定する必要もあります。



   
5 ダイヤ設計の簡易診断


土地の取得前の段階で時間的にもコスト的にもこのような調査が困難な場合に迅速対応するために、ダイヤ設計では業務範囲に簡易診断も行っております。
ご相談ください。

  ダイヤ設計の擁壁耐震診断(欠陥擁壁、健全度等の判定、補修計画)ページへ


結果的に高い買い物にならない為にも、専門家のアドバイスや知見を参考にすることはかなり有効であると考えます。




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