地耐力測定報告書 (推定地耐力)
(件名) M・K邸新築工事
平成22年5月
〒338-0005
埼玉県さいたま市中央区桜丘1‐12‐5
株式会社 ダイヤ
一級建築士事務所
環境調査事務所
・添付図書 現地案内図・調査位置図面・配筋詳細図面・場記録写真集
・参考資料 ・調査地付近の地形と地質について
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P1
調 査 概 要
1.件 名
M・K邸新築工事に伴う地耐力試験
2.場 所
S市C町5丁目3番地
3.調査期間
平成23年3月16日
本調査は、M・K様の依頼により上記工事に先
立ち別添調査地点位置図に示した個所で行った
もので、これにより計画建物及び、工作物基礎
底面の地盤の地耐力を調査し、併せて設計基礎
の安全性を確認するものである。
4.試験内容
a 試験個所 別添図表示位置
b 試験位置 図示による
c 試験装置 コーンペネトロメーター
ハンドオーガー
5.現場試験担当者
一級建築士 土地家屋調査士 目 黒 碩 雄
補助者 本 多 潤 一
6.報告書作成者
一級建築士 土地家屋調査士 目 黒 碩 雄
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P2
地耐力に対する見解
1 ペネトロメーターによる貫入抵抗の測定は、
別添図の付近で行い、メーターゲージによ
り下記の測定値を得た。
(現状の敷地高をGL±0とする)
※各調査地点Pの先端コーンは、
断面積3.25平方㎝を使用※
2 上記測定値により、コーン指数を求める。
3 コーン指数よりコーン支持力(許容地耐力)を
求める。
(本件の場合、a=0.10「許容地耐力・換算係数」
を採用する) |
P3
測定地 P1 許容地耐力計算表(推定)
震度
(cm) |
測定値 |
コーン
指数
単位(㎏) |
許容地耐
力単位
(t/㎡) |
現場記録
写真№
(プレート№) |
土 質 |
上水面 |
表土 |
|
|
|
|
|
GL
-160
㎝
|
50 |
25 |
12 |
3.6 |
写真№7
①
|
盛土
ローム |
100 |
25 |
25 |
3.6 |
写真№8
② |
ローム |
150 |
35 |
16 |
4.9 |
写真№11
③ |
ローム
水分少 |
200 |
40 |
18.5 |
5.6 |
写真№13
④ |
ローム
水分多 |
記録
写真
№20 |
250 |
45 |
20.5 |
6 |
写真№14
⑤ |
ローム
砂交り |
300 |
10 |
5 |
1.5 |
写真№15
⑥ |
シルト
ローム
砂交り |
350 |
57 |
25.7 |
8 |
写真№16
写真№19
⑦ |
シルト
ローム
粘土
|
400 |
|
|
|
|
|
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P4
測定地 P2 許容地耐力計算表(推定)
震度
(cm) |
測定値 |
コーン
指数
単位(㎏) |
許容地耐
力単位
(t/㎡) |
現場記録
写真№
(プレート№) |
土 質 |
上水面 |
表土 |
|
|
|
|
|
GL
-230
㎝
|
50 |
38 |
17.5 |
5.2 |
写真№22
R-40
|
盛土
|
100 |
33 |
15 |
4.5 |
写真№23
R-1 |
ローム |
150 |
35 |
16 |
4.9 |
写真№26
R-2 |
黒ボク
ローム
|
200 |
38 |
17.5 |
5.2 |
写真№27
R-3 |
ローム |
250 |
42 |
19.5 |
5.8 |
写真№28
R-5 |
ローム |
300 |
60 |
27.3 |
8.5 |
写真№30
R-6 |
シルト
ローム
水分 |
記録
写真
№35 |
350 |
67 |
30.5 |
9.5 |
写真№33
R-7 |
シルト
ローム
水面 |
400 |
|
|
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P5
[ 所 見 ]
予定建築物 木造2階建を予定
長期許容地耐力= 3.5t/㎡ と推定する。
本件調査地の地盤を外観すると、この土地は分譲地とし
て計画され、0.6m前後のブロック擁壁を設け、元地に
約50cm位の盛土施行がなされた土地であります。
盛土はローム土(赤土)であり、建築残土等の残材等は
混入されていない、比較的良好の盛土で構成されており
ます。
通常木造2階建程度の建物の必要許容長期地耐力は2t/
㎡程度で、本件調査地の場合、建物基礎下端(フーチン
下部)の許容長期地耐力が約3.5t/㎡と推定されます
ので、安全圏内にあると考えられます。
しかし盛土の下部の土質は、P1地点・P2地点共にシルト
及び粘土質の土質構成の為、「圧密沈下」を考慮する必
要があります。
建築計画に当り、建物の荷重による圧密沈下による「不
同沈下」を防止する為には、下記の注意事項を遵守して
施行する必要があります。
◎構造計画に当り、次の項目に注意して計画して下さ
い。
1.建物の配置計画にあたり、外壁線は敷地境界線よりな
るべく離して計画してください。
この事により、隣地建物による荷重の影響を少なくする
事ができます。
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P6
2.建物のプラン作成に当たり、下記の事項を考慮して計画
して下さい。
○1階平面の重心と2階平面の重心を、なるべく一致させ
てください。(不同沈下の防止)
○建物コーナー部分にはスジカイ設置のため、絶対に窓
を計画しないこと。
3.屋根材は、なるべく軽い素材にて計画すること。
○瓦屋根での計画は絶対に避けること。
4.基礎の構造は鉄筋ベタ基礎構造で計画すること。
本件敷地は道路側になだらかに約80cmの勾配で傾斜し
ています。従って、調査地点のP2付近に建物を計画する
場合、建物基礎を水平にするため、計画建物の大きさに
もよりますが、道路側の基礎フーチン下端に現状盛土の
上に更に20cm位の盛土を施工する必要があります。
その為、道路側部分の盛土厚さは合計70cmになり、通
常の建築工事的な転圧工事では、直接基礎の支持地盤
としては、不向きな支持地盤となります。
ベタ基礎下に<摩擦杭>か<地盤改良工事>を実施す
ることを提案します。
最後に本件土地の分譲計画前の土地状況は、杉等の樹
木が植栽されていた形跡があり、分譲計画時にこれ等の
樹木を伐採し、根を掘り起こし、撤去したと考えられます。
その時に現状の地山が荒らされ、その部分の地盤強度は
低下しているはずです。
本件建物の基礎工事場合は総堀にて施工される為、そ
の時点で<根切底>が確認できるはずですから、そのよ
うな箇所が発見された場合には、その箇所を補強してお
く必要があります。
※参考図面を添付しておきますので、この程度の基礎で
計画してください。 以上です。
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P7
調査位置図面
参考配筋詳細図面
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P8
現地案内図
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建物新築工事 地耐力測定 現場記録写真集より抜粋
調査機器一式 調査地点P1 深度50cm 調査地点P1 深度150cm
調査地点P1 深度250cm 調査地点P1 深度350cm P1 上水面 GL-160㎝
調査地点P2 深度100cm 調査地点P2 深度200cm 調査地点P2 深度300cm
P2 上水面 GL-230㎝ 調査地点P2
調査地点P2
・参考添付資料 ・表層地質図 ・調査地付近の地形と地質について
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