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1 コンクリートの中性化

2 中性化の調査方法

3 補修の工法




  
1 コンクリート中性化


1-1 躯体コンクリートの中性化について

 
「コンクリートの中性化」とは、コンクリートのもともとの特性であるアルカリ性が空気中の二酸化炭素によって中和され、アルカリ性が低下していく現象のことを言います。
コンクリートは、もともとPH値12〜13の強アルカリ性です。それによって、鉄筋コンクリートの中の鉄筋表面には、不動態皮膜と呼ばれる厚さ約3nmの緻密な酸化皮膜(γ−Fe2O3・nH2O)が作られ、酸化から保護されています。

しかし、中性化が進み、鉄筋周辺のpH値がおよそ11.5を下回ると、不動態皮膜が破壊され、鉄筋は腐食し始めます。そして、鉄筋の周囲には固い錆が生じ、もとの体積の2.5倍に膨れ上がり、鉄筋周辺のコンクリートを圧迫し、コンクリートにひび割れを起こすに至ります。この中性化の進行具合によって鉄筋コンクリートの寿命が左右されるため、中性化を防ぐには二酸化炭素を完全に遮断するしかありません。鉄筋コンクリートの寿命が数十年と言われているのはここに原因があります。

しかし、近年問題になっている山陽新幹線のトンネル崩落事故などは、海砂の使用による鉄筋の激しい腐食と、アルカリ骨材反応が原因であり、ここで述べるコンクリートの中性化の問題とは又別な原因です。


1-2 中性化が起こる原理

健全なコンクリートは、セメントから遊離された「消石灰」(消石灰と言う名称は通称で、正式には水酸化カルシウム Ca(OH)2である)を多量に含むため、一般にPHは12〜13という強アルカリ性です。

アルカリ性であるということは、OH−(水酸化物イオン、アルカリ性を示す物質)量が、H+(水素イオン、酸性を示す物質)量に比べて多量に存在しているという状態です。
中性化とは、アルカリ分が何らかの理由によって消失(減少)し、水素イオン量が増えていく現象のことを指し、コンクリートのPHが9程度まで下がった状態のことを言います。

コンクリート構造物は中性化しているうちは強度を保っていますが、これを通り越して酸性になってしまうと、強度を失い崩壊してしまいます。なお、中性化によってコンクリートが強度を失い、崩壊する事はあり得ません。(コンクリートが中性化した結果、何らかの不都合が生じる事はあり得ます。例えば、中性化がトップ筋まで進行し、その鉄筋が錆びてその外側のコンクリートが剥離した場合、コンクリートの引っ張り応力を負担する鉄筋の機能は極端に低下することになり、建物全体の構造耐力も低下することになります。)


1-3 何故中性化が良くないのか?(何故アルカリ性に回復する必要があるのか)

コンクリートが中性化しても強度を失うことがないのは前に述べた通りですが、中性化が良くない理由は、中性化することによってOH−が減少してしまうためです。
鉄筋は、健全な(中性化していない)コンクリート中ではOH−が多量に存在しているために、錆が発生する事はありません。しかしながら、OH−が減少するとCl−(塩素イオン)が不動態被膜(新しい鉄筋の表面についている青黒い被膜)を破壊し、鉄筋の錆が発生します。

なお現場によっては、既に赤く錆びた鉄筋を使用してコンクリートを打設しています。鉄筋が赤く錆びているという事は、その部分の不動態被膜は既に失われていることになりますが、コンクリートの強アルカリにより失われた不動態被膜が再生されるために問題は発生しません。
また、中性化しても問題にならないケースがあります。これは鉄筋の入っていない無筋コンクリートの場合です。


1-4 コンクリートが中性化する要因

コンクリートが中性化する主たる原因は、前述したように、大気中に存在する炭酸ガスによるものです。詳しく説明してみます。炭酸ガスはコンクリート中の余剰水の中に溶け込み、炭酸(H2CO3)となります。これがH+の供給源となり、中性化が進行していきます(H+とOH−が結合(中和)される事により水(H2O)を生成する)。この他にも外部から供給される酸性物質、例えば酸性雨(NOx、SOxの水和物)などによっても中性化は促進されます。これらのことをまとめると、以下のようになります。

    Ca(OH)2 ⇔ Ca2++2OH−

健全なコンクリートは多量のOH−によってアルカリ性を示す。
 
   CO2+H2O ⇔ H2CO3 ⇔ H++HCO3− ⇔ 2H++CO32−
 
大気中の二酸化炭素がコンクリート中の余剰水の中に溶けて(加水)分解し、H+を供給する。

   OH−+H+ ⇔ H2O

OH−とH+が(中和)反応して水を形成する。これによりOH−が減少し、コンクリートは中性化する。(アルカリ性でなくなる)


1-5 中性化による鉄筋腐食

中性化による鉄筋の腐食は、図5・20に示すように中性化領域が鉄筋表面に到達する手前で始まります。かぶり厚と中性化深さとの差を「中性化残り」といい、塩分を含んでいないコンクリート構造物では中性化残りが約8mm、塩分を含んでいる構造物では中性化残りが20mmの時点に達すると鉄筋の腐食が始まります。

これは、炭酸化による硫黄と塩素の濃縮が中性化のフロントの前面(非炭酸化領域)で起こる
ためであり、中性化による鉄筋の腐食は、ひび割れの発生やさび汁の流出をともなわない場合があるので注意を要します。  
このことからも、コンクリート細骨材である砂に塩分が含まれる海砂等が使用された場合、そのコンクリートの耐久性は著しく低下することがわかります。



              中性化(炭酸化)の進行と鉄筋かぶりとの関係の図・
   中性化(炭酸化)の進行と鉄筋かぶりとの関係の図cyuseika5-20.jpg


  
2 中性化の調査方法


フェノールフタレイン溶液に浸して調べる。

  ○ 色が赤く変われば正常
  × 色が変わらなければ、中性化

  (炭酸ガスによる中性化 PH>10 → 鉄筋が腐食する
           → 膨張してコンクリートにひび割れが生じる)

コンクリートの中性化は、コンクリートの耐久性に大きな影響を及ぼす鉄筋の腐食に関係があり、中性化を測定することによりコンクリートのアルカリ度の現象度合を見ます。
一般大気中における中性化速度は、環境条件(大気中の炭酸ガス濃度、温度、湿度、仕上げ材など)を主とする外的要因、およびコンクリート自体の性能−品質(透気性、含水率、強度、セメントの種類、調合条件、施工条件など)を主とする内的要因によって複雑な影響を受けます。


   
3 補修の工法


(検査の結果コンクリートが中性化していると判定された場合の対策方法)

  @表面保護、欠陥部の補修等を行うことによって、遅らせるもの。
  A浸透性のアルカリ溶液を塗布し、コンクリートのアルカリ性回復を期待するもの。
  B中性化したコンクリートを、中性化していないものに交換するもの。
  C鉄筋に防錆を施すもの。


上記BCについては、コストの面から現実的には採用不可能の為、@の工法をメインに採用し、必要に応じてAの工法を採用することをお勧めします。


                  参考資料<コンクリート実務便覧>


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