建築おたすけ人・ダイヤ設計は、建築物訴訟関係、欠陥擁壁・欠陥建物及び地盤の調査・診断等の業務を行っております。

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当社が行ったS市N町A邸新築工事に伴う、コンクリート強度の測定報告書の1例です。

(コンクリートシュミットハンマー試験)


ダイヤ設計  コンクリート強度測定報告書

表  紙




       コンクリート強度測定報告書

      (件名) S市N町現場新築工事

          平成17年8月









〒338-0005
    埼玉県さいたま市中央区桜丘1‐12‐5

株式会社 ダイヤ

一級建築士事務所  環境調査事務所


目  次

 1 調 査 概 要・・・・   P 1

 2 テストハンマーについての考え方     ・・・  P2

 3 テストハンマーによる強度推定調査票 ・・・・ P9

 4 所  見         ・・・・・・・・・・・ ・・・・・ P11

  

  <付属図面>

   現地案内図

   コンクリートテストハンマー検定保証書

   現地調査記録写真

   調査地点図面


         
ページ1

1. 調 査 概 要 

本調査は、G企画様の依頼により、下記工事に先立ち、別添調査地点位置図に示した個所で行ったもので、これにより計画建物及び、工作物基礎併せて設計基礎の安全性を確認するものである。

  1.件  名
     A邸新築工事に伴う、コンクリート強度試験

  2.場  所
     S市N町

  3.調査期日
     平成17年8月5日 

  4.試験内容
    a 測定構造物     A邸
    b 測定部分名及び打撃方向  別添図表示位置
    c 試験装置  三洋試験機工業叶サコンクリート
              ハンマー (NSR-2)

  5.現場試験担当者
             目 黒 碩 雄

  6.報告書作成者
     一級建築士 土地家屋調査士
              目 黒 碩 雄

ページ2

2.テストハンマーについての考え方

コンクリートテストハンマーの圧縮強度推定値算出の基準は、

  1.国際基準(EMPA曲線準拠)スイス基準
  2.日本基準(日本材料学会公式準拠)

2系統に大別できる。強度試験結果表を作成する場合、いずれかを選択することになるが、当報告書では日本基準である、日本材料学会制作の推定式
 「F=−184+13.0R( s/平方cm)」を採用するものとする。

判定方法の指針
テストハンマーによる試験方法とは、コンクリート表面をハンマーで打撃し、返ってきた衝撃の反射の強さ(反発度)からコンクリートの強度を求めるものである。

より正確に計測する場合、躯体の<コア抜き取り>による圧縮試験等の方法が検討されるが、その場合には構造躯体をかえって痛めることになる。簡易、敏速、低コストで、試験対象コンクリートの現状の強度を把握するには、テストハンマーによるコンクリートの強度試験は有効であると考えられる。

なお、非破壊検査でより精度を出す為に、本調査では、一箇所ではなく、ポイントの測定値を求め、統計的な考慮を加えてコンクリート強度を求めていく。

測定値にはどうしてもバラツキがあり、その標準偏差は約28kg/平方cmと考えられている。したがって、強度の補正を行っても、なおかなりの誤差をともなう。安全確実な判定を行うために、このばらつきにもとづいた統計的な考慮が必要になるのである。標準偏差28kg/平方cmを差し引くのも一方法と考えられている。

<引用文献 日本建築学会著『「建築工事標準仕様書・同解説」(JASS5)鉄筋コンクリート工事』>
           
ページ3

当報告書では、、本報告書においては、推定誤差を一律30 kg/平方cmとして算出を行なう。
他の試験機器に比べて、シュミットテストハンマーのすぐれた特徴を列記してみる。

1.通常の破壊試験では構造体そのものの強度を正しく知ることが出来ない。即ちテストピースはその品質、強度に於て構造物自体を忠実に代表しているものとは言い難い場合があり、またコンクリート構造体よりテストピースを切り取る場合は、それが困難であるばかりでなく好ましくない場合も多い。

シュミットテストハンマーは完成構造体全般にわたり、その任意の箇所に直接ハンマーを当てて測定値を出すことが出来るものであって、極めて簡単、かつ迅速に構造物全体について精度の高い測定結果が得られる。

2.シュミットテストハンマーによればコンクリートを破壊することがない。このためコンクリートの経年変化を調べる事ができ、品質管理に最適である。

3.シュミットテストハンマーは反発硬度(弾性的な跳ね返り)をもってコンクリート強度を推定するものである。この反発硬度を予め作成されているグラフで読めば標準偏差28kg/平方cm以内の偏差範囲でコンクリート強度を判定できる。

4.コンクリー卜構造体は圧縮強度より表面強度が重視される場合がある。例えば、耐摩耗性(道路等)、耐水蝕性(水中、土中建物)、又は耐風化性等に関する場合である。
シュミットテストハンマーによればこの表面硬度が確実に測定できる。
             
ページ4
             
5.全長約35cm、重量約1kgの小型円筒状試験機でプラスチックケースに入れてあり携帯に至便である。

6.構造簡単で操作には熟練を要せず、迅速に測定できる。

7.粗暴な取扱いをしない限り故障を生ずることなく、長年の使用に耐える。


測定方法の概要


1)強度判定法

a.前述の日本材料学会の公式「F=−184+13.0R( s/平方cm)」により基準硬度R0から標準円柱体圧縮強度Fを推定する。

ただし、単位をN/平方cmであらわすため、

N/平方cm=s/平方cm×0.0980665 で換算し、今後は

「F=−18.0+1.27R」 の公式を使うものとする。 

b.基準硬度R0は、測定硬度Rに補正値凾qを加えたものとする。

      R0=R+凾q

           
ページ5

フローチャート
    
ページ6

測定角度による補正

打撃方向が水平でない場合、打撃方向に基づいて下記の表から補正値凾qを求め、補正する。

     打撃方向による反発度測定結果の補正値
補正値
測定箇所の状態による補正

 測定面の乾燥状態に応じて補正を行なう。

 コンクリート表面が乾燥している状態   ±0
 コンクリートの内部が湿っている状態   +3
 コンクリートの外部が濡れている状態   +5

材令による補正
テストハンマーによるコンクリート強度試験は、あくまでコンクリート強度のみを対象とするものであり、コンクリート自体の材令による、劣化性能、中性化等(コンクリートの中性化が進行しても、コンクリート強度が低下することはない。)の判定とは、直接的に関係していない。
            
ページ7

コンクリート強度は、打った日から28日後の強度をもって規定されている。ただし、コンクリートの強度と材令の相関関係については、主として表面の硬度と内部の強度が変化すると考えられる為、いくつかの解釈がある。

その一つとして、国土交通省大臣官房技術調査課(土木研究所、旧建設省土木研究所)の測定方法により(日本材料学会提案の推定式を根拠とする)、推定コンクリート強度を算出するものがある。材齢28日から91日に試験を行う場合には、強度に差がでないという解釈で、材令28日から91日までのコンクリートに関しては、補正を全く行なわない。その範囲外での測定が避けられない場合には、
・材齢9日以前の測定は 適切な評価が困難であることから、実施しない。
・材齢10日で試験を行う場合、算出された推定強度を1.55倍して評価する。
・材齢20日で試験を行う場合、算出された推定強度を1.12倍して評価する。
・材齢10日から材齢28日までの間で、上に明示していない場合は、前後の補正値を比例配分して得られた補正値を用いて評価する。
・材齢92日以降に試験を行う場合にも、推定強度の補正は行わない。
というものである。
(ここでの補正値は、日本材料学会「シュミットハンマーによる実施コンクリートの圧縮強度判定方法指針(案)」(「材料試験」第7巻、第59号、 pp40一44を元に設定されている。)

ただし、近年、増え続けている古いコンクリート構造物では、表面温度と内部強度の相関が一致しなくなることも指摘されている。その点に対応するには、日本材料学会指針の材料補正係数による補正を加え、材令4日から3000日までのコンクリートの推定値を算出する方法がある。
今回の調査では、前者の方式を基準に補正を行なうこととする。

ページ8

 F28=an・Fn     F28=材令28日の圧縮強度
               an =材料補正係数
                              Fn=材令n日の圧縮強度(みかけ強度)

            材令補正係数(日本材料学会指針)
 補正係数


3.テストハンマーによる強度推定調査票


 構造物件名  A 邸 強度推定調査票

   
テストハンマー記録用紙貼付

 調査地点 P1
調査地点P1

  調査地点 P2
調査地点P2

4 所  見


他の調査機関においては、古いコンクリートに対して測定値に材令補正を機械的にあてはめ、推定値を算出しているところがありますが、材令補正係数(日本材料学会指針)の適用につては慎重に適用する必要があります。 その考え方の根拠は、独立行政法人土木研究所(旧建設省土木研究所)による実験結果によります。

参考までに、資料を挙げてみます。
  材令補正係数1  
 
  材令補正係数2

この独立行政法人土木研究所実施した、古いコンクリート(材令10年以上)のシュミットハンマーの測定値に材令補正を行なったコンクリートと実際にその部分において、コア抜き取りの圧縮強度試験の数値には、かなりの乖離がみられます。むしろ、材齢係数未使用の数値とコア抜き取りの圧縮強度試験の数値の方に一致する傾向がみられます。

この試験データーから判ることは、古いコンクリートの場合においては、機械的に測定数値に材齢係数で補正するのではなく、実情に合わせそのコンクリートの推定強度を決定する必要があると考えます。ただし、青木邸の場合は、材令が21日と若い為、上記のような必要性はないものと判断する。検査の結果、基準硬度をクリアーする強度が出ているものと推定される。

調査地点 図面

調査地点図面
   
   
現地案内図




現場記録写真集
-1
写真1
(シュミットテストハンマー)

写真2


現場記録写真集-2

写真3


写真4


現場記録写真集-3
写真5


写真6


現場記録写真集-4
写真7


写真8

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