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擁壁訴訟について

(擁壁訴訟の形態・問題点・取り組み方)





このページの項目

1.擁壁訴訟の形態について

2.擁壁訴訟の問題点

3.擁壁訴訟についてダイヤ設計の取り組み方

◎ダイヤ設計の五つの<公的な資格>



 

1.擁壁訴訟の形態について


欠陥擁壁が訴訟にまで進行する場面は、下記の形態に分類できるようにおもわれます。

建築工事に伴い、建築中あるいは完成後に設計ミス又は施工管理のミスにより、擁壁に変状が発生した場合。

中古の住宅や分譲地を購入後、その敷地に建築されていた擁壁に欠陥部位が購入者側から発見された場合。

現在すでに存在する隣地土地の擁壁が経年劣化の為、擁壁下側の土地の安全性について問題が発生した場合。

前記③とは反対に、擁壁の下側の土地所有者から安全性につき訴訟の提起をされた場合。 

隣地の建築工事や公共工事等による近接大規模建設工事により、既存擁壁に変状が発生した場合。

中古物件の購入者において、不動産仲介業者の擁壁に関する「物件説明書」の内容が事実とは異なり、購入後の<再建築時>において<建築主事>による確認申請が、現状の擁壁のままでは受理がなされない場合。

  

2.擁壁の訴訟問題点


①変状原因が多岐にわたる。


変状の原因が、擁壁自体にある場合や支持地盤に起因している場合がありますが、双方に原因がある場合もあります。
人的な要因としては、設計ミスや施工管理ミスもあります。

従って、その変状原因の解明には建築工学的な知見と、地盤工学な知見の双方が必要になります。

又、建築訴訟が「請負契約」等の債務不履行等の内容が中心が争点になるのに対して、擁壁訴訟の場合は物理的・自然的な事象を争点の対象にする事になるのが、この訴訟の特徴といえると思います。



②欠陥部分の解析が理論的に困難な場合や、安全性の解析が経済的に出来ない擁壁の場合があります。

通常の一般的に採用されている自立式コンクリート擁壁等の場合であれば、設計図面・検査済証・ボーリングデーターの三者が存在すれば、現地調査の上でほぼ完全に安全性と変状原因とが解明可能となります。
 
公共構造物である擁壁や構造物であれば調査予算は潤沢にありますが、民間人間における民事の擁壁訴訟においては他の訴訟と異なり、勝つ為には弁護士費用の外に調査費用や鑑定費用が別途かかるのが普通です。

調査費用には依頼人側の上限があるはずです

築造時の図面等が存在しない場合、擁壁の基礎幅や基礎版の厚さ、又コンクリート内部の鉄筋の配置や太さを把握する事の<調査コスト>は、想像できると思います。
  
従っていかに現況の変状状況や、ある程度の基礎調査項目からその原因とされるフアクターを見つけるには、豊富な経験と適格な判断力が必要となります。



③トラブルの元凶『任意擁壁』の存在について。

「建築基準法」6条の確認申請の適用除外の高さ2.0m以下の、いわゆる任意擁壁が多く築造されております。

しかしこの任意擁壁であっても法令的には<野放し>ではなく、構造規定の重要な部分は「施行令」においては「準用規定」が適用されております。

しかし現実には、従来から設計者、施行業者をはじめ行政側もこの点を曖昧にしたままで放置してきたことが、多くの擁壁トラブルが発生した要因です。

このことは、最近死亡発生で取り沙汰さている「ブロック塀」事故についても同様です。

ほとんど設計基準のみの運用で行政の関与等が無い為の実態が、事故に繋がったものでと考えられます。
この任意擁壁の運営システムが、擁壁訴訟の多発を要因であるともなっています。



④ 裁判所の対応の問題点

長年の間、擁壁関係の鑑定書作成業務と<当事者尋問>等によりこの裁判に係わってきましたが、特に他の民事訴訟の裁判と特異性として感じられることは次の2点です。

その1
判決の結論は、裁判官個人の基本的な擁壁に対する漠然とした社会通念上の<概念>だけで結論に至ります。

その2
その擁壁が安全であるかどうかの工学的、物理的な判断については自ら踏み込もうとはしない。

このことは長年の経験からの結論です。

依頼人も弁護士さんもこの点をよくよく踏まえた上で、それでも<勝利>を模索してほしいと思います。



⑤ 擁壁に関する法令の煩雑さによる基準の問題点。

擁壁について規定している法令としては、次の<建築基準法><宅地造成規制法><都市計画法>3つの法律がありますが、この法律間で複雑に絡みあい、さらに互いに擁壁に関する部分に<準用規定>を設けている為に、一読した程度では理解不能です。

そして擁壁の構造形式・適用基準・構造計算の方法等の基本的な部分においても、土木関係と建築関係では考え方が基本的に異なる部分があり、具体的な各論部分に入ると設計の段階で戸惑う場合があります。



⑥ 構造計算の確立されていない解析困難な擁壁の存在。

擁壁にはその用途、施工難度、構造材料、施工コスト等により、いろいろな<構造形式>の擁壁があります。

例えば、

分譲地などでよく見られる「コンクリートもたれ式擁壁」などは、「公知公認」といわれる一般的な解析方法が未だ存在しておりません。

一部の学者等においては当然解析方法は提唱されておりまが、一般的には経験則に基づく標準構造の形式で、設計、施工されております。

これで現代も過去においても、何ら不都合なことは発現しておりません。

何故なら、経験則による工法の方が構造計算によるものよりも、安全率を高く設定されている為です。

しかし、このような擁壁構造の解析法が<単純明快>でない所が、裁判の場に於いてはいろいろの論争を引き起こし、司法判断が大きく揺らぐ結果となり、訴訟提起時においての見通し判断をたてにくくしています。

  

3.擁壁訴訟についてダイヤ設計の取り組み方


その擁壁の個別的な要求性能の判定と、仮に擁壁が崩落した場合の被害の大小の想定。

改修工法(補修工法)の策定、及び必要により、工事費見積もり金額の算定等についてまでの総合的な鑑定意見書を作成しております。

又弁護士さんには、相手側の意見書の主張に対する攻撃防御方法、裁判官、建築委員からの質問や疑義事項に対する答弁への、技術的事項のアドバイスをしております。

擁壁トラブルに関する裁判経験による知見と、それを裏付け担保するに必要な下記の五つの<公的な資格>により、<建築コンサルタント>としてその良心に基づいた説得力のある鑑定意見書の作成を心掛けております。


   
五つの<公的な資格>


・一級建築士 建築士登録番号 第70624号
・地盤品質判定士 第115-0019-1号
・コンクリート診断士 第31301664号
・土地家屋調査士(資格者) 第1641号
・マンション管理士 第0013030091号


・所属団体  日本コンクリート工学会
        地盤工学会



・ダイヤ設計 擁壁鑑定書・意見書 作成写真

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