建築おたすけ人・ダイヤ設計は、建築物訴訟関係、欠陥擁壁・欠陥建物及び地盤の調査・診断等の業務を行っております。

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技術屋の中辛コラム


その6 『これからのコンクリート性能の目指すもの』


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              その2 『地震では擁壁は崩れない?』のページへ

              その3 『コンクリートの水セメント比についての素朴な疑問』のページへ

              その4 『不同沈下事故が多発する原因について』のページへ

              その5 『ここが間違う。建築構造材と土木構造材(地盤)の本質的な相違点について』

                           その7 『既成プレキャスト擁壁に変状事例の理由は?』のページへ


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その6 これからのコンクリート性能の目指すもの。 


 


最初に

上記の写真は、ダイヤ設計ビルの屋上に設置されたクーラーの室外機の、基礎設置に使用されたコンクリートブロックですが、築後30年経過後に<酸性雨>による化学作用によって、写真のように雨水に接する箇所はグズグズに劣化しております。
(環境庁のデーターによると酸性雨はPH=4程度のかなり強い酸性です)

この変状と似た現象では「硫酸塩」による劣化がありますが、こちらの方は土壌に含まれる「硫酸塩」である為、変状箇所が構造体である土に接する基礎部分に発現しコンクリートの断面が欠損する為、より深刻です。

中小構造物に使用されるコンクリートの最大の要求性能は、『強度』と『耐久性』に尽きます。

コンクリートの強度については、住宅や中小規模の構造物等最近のコンクリートの必要設計強度としては、210㎏/㎠~240㎏/㎠程度あれば十分であり、ごく普通のコンクリートでどこでも入手可能です。
強度によるコスト高も総額の数%であり、無視できる程度です。
この範囲で計画しておけば問題はありません。

従って、セメント量の貧配合による劣悪なコンクリートについては現代ではごくまれであり、従来のように強度に対する判断については無視しても問題はないと考えます。
今では240㎏/㎠の生コンを発注すれば、そのコンクリート強度は300㎏/㎠前後発現します。

◎強度は簡単にクリアーできる。強度優先の時代は終わった。ということです。

それよりもこれからコンクリートに要求される重要な性能は耐久性であり、設計者も施工者も耐久性のあるコンクリートを現場で施工するように、意識変革をすべきです。

そこでこの項では、耐久性の高いコンクリートを作る為の生コン業者に発注する方法や、施工法について述べてみたいとおもいます。

ここで重要なことは、耐久性を高めるコンクリート等を使用したとしても、その為の入念な打設施工技術を伴わなければ、期待された耐久性能は発現されないと言うことです。


A、化学的耐久性の向上目的

目的
水密性の向上、長期強度の維持、水和熱低減、単位セメンント量の減少。

対策=
普通のポルトランドセメントに変えて、<フライアッシュセメント>を使用することにより、上記事項の改善に貢献します。
特に建物地盤の上水面が高く、<含水率>の高い地盤の場合等においては有効です。
特に水密性の向上は、内部鉄筋の劣化防止には役立ちます。


B、中性化抑制目的

目的=

コンクリートのアルカリ性が低下し中性化すると、内部鉄筋の発錆に繋がる為対策が必要ですが、この対策は少し厄介で、コンクリートの対策と施工面の二方向からの対策が重要です。

B-1
可能な限り水セメント比の小さなコンクリートを打設する。
土木工事に使用されるコンクリートで、水セメント比がある限度以下のかなり小さな場合には、中性化は進行しないと言われております。

B-2
完成後のコンクリートが土中部分を除き空気(炭酸ガス)と接触しないように、塗装による表面被覆を施工する。
尚、土中部分は空気の移動が少なく、空気との接触時間と面積が露出面と異なり少ない為、中性化の進行は少ない。

B-3
ひびわれ部位からは水分や空気が躯体内部に侵入する為、構造体にエクスパンションジョイントを設ける。
コンクリート打設時には<コールドジョイント>が発生しないように、施工計画を立案する。


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C、遮塩性(塩化物イオンの侵入遮断)

重量式の擁壁のような無鉄筋のコンクリートの場合には遮塩性について考慮する必要はないが、通常は鉄筋入りコンクリートが普通である。
又、無筋コンクリートの場合であれば、練混水に<海水>を使用しても問題は無い。
特に海辺の近傍の鉄筋コンクリートの場合には、遮塩性について考慮する必要があります。

直接的に海水の飛沫がコンクリートに接触しなくても、「海塩粒子」は風により陸地側に運搬される為、(海岸線より250m以内の構造物)は対策が必要となります。

海岸近くのマンションの庇部分の裏側に鉄筋の腐食痕が確認されますが、これらは塩害によるものです。
中性化と同様に内部鉄筋を発錆させ、鉄筋を膨張(体積で2.5倍)させることにより躯体にクラックを発性させる為、その部分から雨水や炭酸ガスが躯体の内部に侵入する為、急激にコンクリートが劣化する事になります。

又内陸部であっても、北国の高速道路の近くでは、積雪時に散布される除雪剤(塩)には高濃度の塩化物イオンが含まれている為、同様の注意が必要です。

対策=

1 水密性(防水性)の高いコンクリートであること。

2 表面被覆。

3 被覆鉄筋= <エポキシ樹脂塗装鉄筋>にて施工する。



最後に

耐久性向上の為の方策について縷々述べてきましたが、今こんな事を思い出します。
それは当方が学生時代に「飲み代」稼ぎの為よく建築現場のアルバイトをしたときの事です。(学生時代は大酒飲みでした)

3階建程度の鉄骨建物の基礎部分のコンクリート打作業は、当時はコンクリートポンプ車などは世の中には無かった為、すべて人力作業によるものでした。

現場内に砂利、砂、セメントを搬入し、コンクリートを練るグループが練り終わると、次のグループが練り上がったコンクリートを<猫車>と呼ばれる小さな1輪車で打ち込み場所まで運び、<歩み板>から地中梁の中に落とし込みます。
そのコンクリートを太さ2~3㎝の竹棒でよく何回も突き込み、型枠の隅々まで<ジャンカ>が出来ないようによく充填させます。

又この作業と並行して、<おばさん人夫>が2~3人で<木製トンカチ>でその部分の型枠を外側からトントンと20回程度叩き内部の空気を放出させ、型枠内に緻密の高いコンクリートを丁寧に充填させておりました。
この為、現在のように機械式の<バイブレーター>を使用しない為、コンクリート内の粗骨材の<分離>がおきませんでした。

コンクリートの打込み作業は多くの人間が必要でした。現在版の『他人数DIY方式』とも言われる作業です。

しかしこのような原始的とも見られるコン打作業は今のようにAE剤や減水剤、その他の混同剤が混入していない「プレーンコンクリート」といわれるものですが、現在のスピード優先のポンプ打ちコンクリートと比較して、その耐久性能は高いと信じています。

考えられる理由として。
◎粗骨材は砕石ではなく丸い川砂利、砂は塩分が残る海砂ではなく川砂が使用されていた事。
◎結果として時間をかけて丁寧に打ち込みから充填まで、手作業で少しずつ打設された事。

このことは同じ強度のジーンズ布地で作っても作成過程の違い等により中国製よりもMADE IN JAPANのLEVI,SのGパンの方が格段に耐久性があるのに似ている様におもいます。

                                             以 上






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