ダイヤ設計の業務は、建築訴訟・擁壁訴訟・地盤訴訟・損害保険訴訟等の鑑定書の作成、及び調査診断報告書の作成。
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『技術屋の辛口コラム』
『技術屋の辛口コラム』
№16・盛土宅地は欠陥擁壁宅地よりもはるかに危険!
一級建築士 ・地盤品質判定士 ・コンクリート診断士 目黒碩雄
№16・盛土宅地は欠陥擁壁宅地よりもはるかに危険!
(危険な盛土宅地の問題点)
<谷埋め盛土> <腹付け盛土>
比較的大きな盛土工事や擁壁工事は通常は平坦な土地には施工されない為、盛土敷地と擁壁は通常セットになって宅地を構成しているのが普通です。
①我が国の宅地の供給と利用形態について。
日本は国土の約73%を山地が占める山国であり、ヨーロッパの国々と比較して人口の割には平地が少なくその為、谷を埋め戻しての宅地造成が昔から行われていました。
特に戦後、昭和25年以降の高度成長期においては多くの盛土宅地が供給されました。
現状で確認されている大規模盛土地域は全国に51,000か所も存在していると言われております。中小の盛土区域を含めれば膨大な数と面積になるはずです。
そして問題となるのは、日本の場合は世界有数の地震国であるという事です。
太平洋プレート、フィリピンプレート、北米プレート、ユーラシアピレートとの境界部に位置しております。プレートはゆっくり移動をしている為にひずみがある程度蓄積すると元の位置に戻るために、定期的にひずみを開放することになります。
これが地震です。
従って地震は、ある程度定期的に同一場所付近で発生する可能性があります。これを避けることは不可能です。
日本は発生頻度で世界ランキング4位という地震大国であることも、このことからも理解できます。
一度大きな地震に見舞われると、莫大な経済的損害を国も個人も被ることになります。
例えば1900年以降に発生した大地震の経済的な被害額も次の通りです。
1位:東日本大震災 32.8兆円 2位:阪神淡路大震災 21.3兆円と発表されております。
地震が少なく宅地の供給に盛土や擁壁を築造する必要のない、平地の多いアフリカやヨーロッパ諸国がうらやましい限りです。
②何故、今、盛土宅地が問題となるのか?
盛土内部には水抜き配管設備が必要でありますが、盛土工事が盛んに行われた戦後の高度成長期には現在と異なり規則もなく、設計者も施工者も土砂崩れの可能性についての危険認識が無かった現実があります。
その当時の盛土地盤の耐久性認識では年月の経過により、<雨降って地固まる>のことわざのごとくむしろ地盤が安定すると、一般的には考えられておりました。
それはちょうどその当時のコンクリート建物や構造物の耐久性について、設計者も施工者も行政も半永久的であると考えていた為に、維持管理というイメージが盛土地盤と同様にありませんでした。
現実に豪雨の後や地震時には地盤剪断強度が緩み、土砂崩れが発生し多数の人命が犠牲になりました。
擁壁とは異なり、盛土地盤内部の排水配管設備の劣化改修工事を定期的に実施している土地は、まれであると考えられます。
築造後50、60年以上経過した盛土内部の排水関係の設備は、劣化の更新時期を迎えていたことに大きな原因があります。
擁壁の裏側の埋め戻し土(その本質は盛土です)の水抜き穴が詰まれば、土が緩み擁壁が負担する土圧は大きく高まり擁壁は崩落する可能性は有ります。
盛土地盤も同様に排水設備が機能不全になった場合には、地盤自体の剪断力が低下することにより流動化して、土砂崩れを発生させることになります。
堅固な建物や擁壁であっても、地盤の土砂崩や崩落等に抵抗することはできません。
コンクリートの擁壁であっても同じです。
擁壁を支える基礎部分の下の地盤が大きくゆるみ崩落することなどは、設計段階から考慮されておりません。
よくある河川敷地の内部に築造される「砂防堰堤」のような堅固な構造にでもしない限り、宅地擁壁の程度では無理です。
〇ここで災害時の擁壁と盛土地盤の破壊プロセスを想定し、その被害コストを考えてみます。
その場合2つの破壊パターンが考えられます。
その1 擁壁の崩壊
擁壁の一部または全部が崩壊しても、建物にはその影響が発生しない場合。一部建物に被害が発生する場合等が想定されます。
しかし擁壁崩壊により、建物全体が崩壊する場合はまれであると考えられますが、擁壁の崩落、転倒にしても建物が全面的に破壊される可能性は少ない。
その2 盛土部の崩壊
敷地に擁壁と建物がある場合には、ほとんど建物と擁壁自体も崩壊する可能性が大きいと考えられます。
この辺が擁壁の崩壊との相違点と言えます。
建物が崩壊するということは、中に住んでいる人間にもその被害は及ぶ可能性が高くなります。
したがって盛土部宅地の崩壊は、擁壁崩壊と比較して死傷者を含む人的被害の発生する可能性が多いため、被害は各段に大きくなります。
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③盛土地盤の補強の難しさについて。
擁壁の補強・改修工事は個人レベルのコスト負担でも可能である場合もありますが、盛土補強工事はそれに比較してはるかに種々の困難が伴います。
理由その1
地盤補強の工法は限定されていることや、隣地の土地にその工事の影響が出やすいこと。
理由その2
一つの宅地のみの防御策では土砂崩れを防止できない場合が多い。
理由その3
擁壁の補強、改修工事に比較して一般的にはコスト高になる。
地価が低価格の場合にはこの工事をしたとしても、近隣の土地価格と比較した場合メリットが発生しない場合があります。
理由その4
敷地内に既存建物が存在している場合は、作業用機械の設置が難しい場合が多い。
埋設排水管の取り換え工事等においては、敷地自体の掘削作業ができない場合がある。
④既存の盛土宅地の耐震化は個人でも集団であっても、双方共にコスト的に困難であるといえます
。
従って新規に土地取得を目的とする場合には、下記の項目をチェックして土地取得時の参考にして下さい。
その1
対象地の住所が判れば市役所の担当部所にて、大規模埋立地の大きさと範囲は地図上に表示されています。
その2
対象地の昔の土地利用の形態等はネットで検索することが出来ます。同様の全国の1/25000や1/50000の地形図も入手が可能です。
これらの情報から対象地が昔は谷地であったのか、又は池や沼の埋め立ての可能性の高い土地であったのかが判ります。
その3
前記に述べたとうり、盛土宅地には擁壁が設置されている場合がありますので、擁壁の変状や劣化の状態から盛土の健全性をある程度判断する事が可能です。
〇盛土地盤の劣化の発見の方法
降雨時に水抜き穴から水が排出される場合は問題ありませんが、連続晴天時にも関わらず水が排出している場合は、内部に水が滞留している可能性ありと判断できます。
鉱物(鉄分)の色であり、雨水、河川や水道水の色ではありません。
擁壁に地下水が流入してということは降雨に関係なく、常時水が擁壁の裏に供給されていることになります。
擁壁の背後の埋戻し土の部分の含水比が高くなり飽和状態になると、擁壁に水圧が作用することになります。
通常時の土圧よりも水圧のほうがはるかに大きい為、変形や崩壊の可能性が高くなります。
道路のアスフアルト舗装にヒビが入り、そのひび割れに段差が発生している場合は、盛土が沈下している事の照査になります。
⑤不動産業者の仲介時におこなわれる重要事項の説明項目について。
不動産業者の仲介時におこなわれる重要事項の説明項目に、擁壁の存在や構造等は記載事項として一般的には記載されますが、
対象土地が盛土の土地である場合に記載されていないようです。
その理由として盛土の土地であっても安全な土地もある為としておりますが、これはこの法律の改正時に業界の圧力か、
そうでなければ最近取沙汰されている<忖度>を業者がしたのかもしれません。
又、盛土施工業者の法的責任の追及期間である20年の時効の壁があり、このことも影響しているかもしれません。
現状において、既に危険が迫り劣化している盛土敷地は沢山存在しております。
このような危険盛土地域の補強工事が遅々として進まない理由は、個人の所有する土地に対して税金を投入することの法的整合性が背景にあると言えます。
欠陥擁壁は通常は経済的な損失で済みますが、地震や豪雨に因る盛土崩壊は命の喪失に繋がります。
最後に
当方がこの仕事に入る40年以上前に、世界一と日本一長い高速道路のトンネル工事の設計監理業務をしていた時、トンネルを掘削したズリ(岩塊)と言われる膨大な量の掘削土は現場近隣の山中に、正に谷埋盛土として処分されました。
工事中にまたたく間に深い谷が埋められ平らになり、山の中にいくつもの分譲地の様な土地が出現し、土木工事の卓出性を当時は感じたことでした。
しかしこの埋め戻し工事はトンネル掘削で発生するいわば残土処分的なものであり、宅地造成の為の埋め立てでは当然ありません。
やがて数十年後にこの風光明媚なこの土地に、仮に別荘ブームによる開発が起こり別荘宅地として分譲された場合には、前記に述べたような問題が惹起する可能性
がありますので、当時を知る者としては何か、時の流れの懐かしさとともに、複雑な思いがしたことでした。
以上です。
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