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『技術屋の辛口コラム』

№12・建築費の10%UPで地震に強い住宅を造れるか。
(造れるはずです)

『技術屋の辛口コラム』




№12・建築費の10%アップで地震に強い住宅を造れかるか? (造れるはずです)


1、設計条件

大まかに地震に強い建物と漠然と言っても、ハウスメーカーの宣伝文句のようにただ「強い」だけでは具体性がありません。
ここでは地震の震度の想定、おおよその建築費、規模や全損に至らない場合の修復の程度等を、なるべく具体的に説明してみます。
これからマイホームを計画する人にとっては参考になるかもしれません。

1-1 地震震度の想定
想定震度とは、この建物がどの程度の震度まで耐えられるかを具体的に考える為です。
ちなみに東北大地震の時の大きさがマグニチュ-ド8、震度7(激震)であったことを考えて、震度6(烈震)程度を想定することにします。
ここではマグニチュ-ドの大きさについては無視することにします。

マグニチュ-ドとは<地震エネルギー>の大きさを表す数値であり、想定する建物の被害発生ランクとは直接関係しない要素です。
何故なら、マグニチュ-ドがいくら大きくても、そこから離れていれば被害は発生しないからです。

震度6(烈震)の一般的被害状況
家屋の倒壊30%以下、建物内の人間は立ってはいられない、歩行は困難な状態。

一言でいえば初めてこの規模の地震に遭遇した人は、おそらくこの世の終わりかと感じるかもしれません。
そして当然のことですが、山崩れ、地割れが発生した場合には、建物をいくら強くしても倒壊を防ぐことはできません。

ある程度細かく検討するには、地震の揺れの時間の長短、地盤と建物の固有周期の問題(共振の検討)、応答スペクトル等の計算を考慮しなければなりませんが、ここでは建物が2階建住宅ということでバッサリと無視します。

そしてここでは地震力を大きくとらえて、建物の重さの何割(震度)が、水平方向から建物に加力されるかと考えることに限定します。そしてそれは水平震度とも呼ばれています。
地震加速度はガルと呼ばれます。地震の力と考えます。

水平震度0.2とは200ガルであり、地球の重力加速度980ガルの20%の水平力を受ける想定していることになりますが、こんなことはここではどうでもいいこととします。

1-2 想定建物の規模
木造2階建の建物とします。
構造 ・在来工法又は2×4(壁工法)で、いわゆる<ツーバイフォー>のことです。
想定地盤 ・N値3程度のよくある、やや軟弱地盤とす。

1-3 目標耐用年数は50年とします。
税務上減価償却処理する場合の基準とした場合、木造の住宅では22年であり、一般的には30年程度と考えられております。
しかし建物のライフサイクルの考え方は<高度成長期>のものであり、今の経済成長の衰退期における令和の時代のサイクルには短かすぎます。

働き盛りの30代で30年の長期ローンで家を建て完済し、60代に入ってもう一度家を建てるのはあまりにも不合理です。
商業建築物や機能性が要求される公共建物ではない住宅を、人生で二回も自分の家を建築する国はおそらく日本ぐらいではないかと思います。

そしてそのことをそれほど疑問にも思わないところが、より問題が深いところです。
イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパの木造住宅の場合、100年以上の木造住宅などいくらでもあります。
(見てきたようなことを言いますが、ヨーロッパはおろか私は外国に行ったことは一度もありませんし、行きたいと思ったこともありません。)

1-4 建物の仕様等
坪当り(3.3㎡)60万円程度の平均的な仕様とします。


2、具体的な採用工法について
2-1 構造計画について。

構造計画(構造設計)の概念は、構造計算とは異なり計画建物の基本的な「要求性能」決定と考えるべきです。
構造計算は設計プランが決定された後、それが構造的に安全であるかのチェック計算と考えるべきです。

従って構造計画は、基本設計の段階でそのプランに反映されている必要があります。
設計者はこの点をよく把握しないまま作業を進行すると、後で設計変更が多くなり時間とエネルギー(コスト)の無駄につながる事になります。

2-2 建物の重心の位置(重さの中心)と、剛心の位置(地震や風力の水平力に抵抗する中心となる位置)をなるべく近づけること。
◎理由
剛心を中心として重心の重さが地震時に捩じる力として発生し、その力が建物の破壊を引きおこすことになる為です。地震でも台風でも剛心の位置は変わりませんが、重心の位置は内部の<積載荷重>によって移動してしまいします。

五重の塔が地震や台風に強い最大の理由は、重心と剛心がほぼ完全に一致している為です。(この位置に心柱を置き、建物の重さの中心として計画されております)


3、基礎について提案
建物の強度を上げるとは、足元の基礎の強度(剛性)を上げることです。
一番簡単な方法は布基礎の壁を高くすることです。

◎理由
壁の高さを2倍にすると、曲げモーメントに対する効力(断面係数)は2倍ではなく4倍になります。
そして基礎壁の抵抗応力は「断面係数」に反比例している為、1/4になる計算です。
逆から言えば、高さを2倍にすれば強度が4倍になるということになり、メリットが大きいということになります。

基礎壁の厚さを厚くしてもその効果はそれほどではなく、他の建物全体の耐力向上メリットにもそれほど繋がりません。

次に、布基礎は可能な限り連続することです。
特に建物の短辺方向(張間方向、スパン方向)であっても、切断しない計画をすることです。
床下の点検のためにこの方向の布基礎が切断されますが、その場合には床下点検口から入るように計画をしておくことです。
このことにより基礎全体の剛性が高くなる為、建物が傾いたときの修復工事がしやすくなる為です。
剛性がない基礎は、ジャッキアップの時に基礎が破損してしまうことがある為です。

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4、点検口を天井と床に6か所は設けたい。
◎理由
この例とした漏水事故は、つい最近我がダイヤ設計ビルにあった給湯配管の漏水事故の写真です。

 和室の応接間の床の間は水びたし状態。         浴室の壁の点検口から漏水箇所発見。
 漏水写真1  漏水写真2

 床下コンクリートスラブも水びたし状態。      原因は湯沸かしからの温水銅パイプの破損でした。
 漏水写真3  漏水写真4

この写真からはわかりませんが、この部分に針の先(1mm以下)程度の孔が開いており、ここから水漏れがしておりました。
銅は表面に酸化被膜を作ります。腐食はしません。しかし、孔があきました。

その原因を考えてみますと次のようです。
ロウ付け時にフラックスが銅と化学反応をしてその部分が腐食したもの、と考えましたが確証はありません。

ネットで検索してみるとHPに下記のような記事がありました。
暇な人は読んでみてください。

ろう付け部の欠陥と検査方法。
ろう付けの手順通りに行っても、ろう付け部に欠陥が生ずる場合があります。ろう付け部に形成される欠陥とその検査・評価方法について説明します。表2は、ろう付け部に形成される代表的な欠陥です。ろう材層では、ボイドや割れなどが起こりやすく、母材部分では、割れや腐食などが起こりやすいです。外観では、過熱による継手外部へのろう材の流出や、ろう材量の不足によるフィレットの未形成、フラックスの不足や雰囲気不良によりろう材の酸化が起こりやすくなっています。水素、硫黄、リンなどが原因で金属組織のぜい化が生ずる場合があります。また、応力腐食割れや界面での合金相形成による割れの発生の可能性があります。欠陥の種類は多様で、ろう付け継手部を外側から目視で確認することは簡単ではありません。欠陥は3次元形状の場合が多く、近年では、全体を把握するためにX線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)の利用が増えてきています。


点検口をいろいろな個所に設置していなかったとしたら、この原因を発見する為には建物のいろいろな個所を解体する必要があり、発見までには相当の金額になっていたはずです。

点検口など1か所5000円以内の工費で済みます。10か所設置したとしても5万円です。
新築時にはぜひ多めに設置しておくことです。事故発生時にその有難味が良く判ります。
建物構造部の点検ができることは、耐久性の保守管理にかなり役立ちます。


5、屋根材について提案
力学的には、日本瓦くらい地震に対して建物を不安定にする要因はありません。
建物にとって一番不利な位置に、重い材料が取り付けされています。

このことは、トップヘビーの船が沈没しやすいことや、頭の上に重い物を載せた人を後ろから押せば、小さな力でもすぐによろけてしまうことからもわかります。
寺院建築や博物館でもないかぎり、木造の住宅には地震強度の面からはすすめられません。

どうしても瓦にこだわりのある人は、上の写真のように金属性の軽い瓦で我慢してもらうしかありません。
(見た目はあまり変わりませんが、経年による風格はイマイチになります。)
薄いアルミ系の板の為、瓦に比べ極端に軽くなります。

又ビス止めができる為、台風にも強そうです。
長所ばかりでなく欠点もありますが、ここでは長くなるので省略します。

同様な趣旨から、2階部分に広いリビングを設けてグランドピアノなどは置かないことです。(重いものは400㎏以上あります。)
大きな地震が来れば、ピアノにはストッパーがついてはおりますが、移動用の車がついているので部屋の中を走りまわり凶器となります。


6 通し柱についての提案
建築基準法では<通し柱>でなくても、<接続金物>で1階と二階の柱を接続することを認めております。

「階数が2以上の建築物におけるすみ柱又はこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においては、この限りではない」と規定されております。
(補強用の金物で梁に柱を取り付ければ認めます、ということです)

◎その理由
通し柱には大きな梁が2本以上は接続される為、納まりの関係で柱の柱断面の欠損が多くなり、非常に弱い柱になる可能性がある事にあります。
又、建物自体が水平方向に変形した場合にはその部分で折れる可能性が高い、と指摘する専門家もおります。

構造計算上は、引張り応力は通し柱と同等の耐力があるとされております。
しかし、自然現象とある仮定に基づく計算は、一致しない場合が多いと考えるべきです。

前記に述べた通し柱の欠点は、柱の断面を大きくすることや柱にとりつくスジカイや耐力壁でその変形を小さくすることで防ぎ、全体の設置本数を増すことで1階と2階の一体性を図ることが、<計算外>の強さとして地震耐力の増加につながると思います。

通し柱の破壊を防ぐ簡単な方法は、柱部分に耐力壁を設けて曲げ剛性を高めることです。
構造計画の段階で検討しておくことです。

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7 窓等の開口部についての提案
大きな開口部のガラスは網入ガラスとする。

◎理由
台風時に飛来物によってガラスが破損して建物内に強風が侵入した場合は、内部圧が高くなり屋根が飛ばされる可能があります。
建物は構造的に外からの風圧には強度がありますが、中からの内圧にはかなり弱いものです。
網入りガラスであればガラスが割れても、風が建物内に侵入することを防ぐことができます。

又、地震を原因とする火災時においては、隣家火災の延焼防止に効果が期待できます。
地震を原因として建物に火災が発生した場合、<火災保険>からはビタ一文も支払われません。
しかし火災保険にプラスして<地震保険>に入っていたとしても、微々たる金額
です。

そもそも地震保険というものは国が制度的に行政目的で創設したもので、地震発生後に家を失った市民が、その日から何とか避難住宅ができるまで生き延びられる程度の保険金しか用意しておりませんし、保険の契約額も上限が定められております。
従って日本中どの保険会社でもその契約内容は同一であり、保険会社にとってもそれほど魅力のある保険でもありません。

国の税金が避難者にあまり使われないように、加入を進めている保険です。
 (ちなみに私の場合は、地震保険に加入しております)

大規模地震が広範囲に発生した場合に、果たして国家に支払い能力があるのかにわかに不安になり、財務省大臣官房信用機構課に問い合わせをしたところ、令和2年3月9日で11兆7千万円のお金がプールされているとのことでした。

私には100万円以上の金額になると、多いのか少ないか全く判断がつきません。


8この建物の特長について。
8-1地震に強い建物は、結果的に地盤の「液状化」にも強い建物となります。


◎理由

基礎全体の剛性が高い(変形しにくい)建物は、地盤の液状が発生してもある程度は地盤変状に抵抗することは、東日本地震でも検証済みです。
又、剛性が高ければ建物に不同沈下が発生したとしても、<ジャッキアップ工法>がしやすい為にその改修工事がしやすくなる、というメリットもあります。

8-2 地震に強い建物は、台風に対しても当然に強い建物になります。
地震も強風も建物に対しては、同じ水平方向の力が作用します。
従って地震に強いことは台風にも本質的には強いことになります。

8-3 地震に強い建物は<耐久性>の高い建物になります。
普通の建物よりも1階の床高さを25㎝から30㎝程度高くすることにより、下記のメリットが期待されます。
●床下の空気の流通が多くなり、土台や束の腐りを抑えられる。
   (機械換気工事もしやすくなります)
●シロアリの発生にも効果が期待できる。
●床下に入りやすくなるため、設備配管の点検やメンテナンスが容易となる。
 (この時に点検口の設置の多さが生きてきます。シロアリ被害の点検もお父さんで可能になります。)

建物土台が腐らなければ50年はもつはずです。

8-4地震に強い建物は、そこに住んでいる間かなりの安心感がある為ストレスがかかりません。
このことは、現在のダイヤビルは私が設計と監理をした建物であり、計画時の構造計算の時に建物の荷重を実際の荷重よりも大きく算定し、梁や柱の断面を構造計算の結果よりもワンランク上の部材にしたり、柱の本数を通常の建物よりも多く設計しておきました。
その為に地震に対する心配は、建築当初から現在まで全くありません。
子供たちが小さいころには、地震が起きたら建物から出ないで家の中に避難せよ、と常々威厳をもって偉そうにしておりました。


最後に

この建物の地震に対する通常の標準工事に対して、耐震性の増進の為の工事内容とコストの増減としては、大きく概算すると下記のようになります。
 平面プランの検討(+-なし)
 ②基礎高さの変更と地中梁の追加増設(プラス要因)
 ③通柱の増設(プラス要因)(マイナス要因)
 ④日本瓦の変更(一般的にはコストは低減します)
 ⑤天井、床下への点検口の追加(プラス要因)
 ⑥大きな開口部の網入りガラス仕様への変更(プラス要因)

【コメント】
コンクリート強度、鉄筋量、構造計算については、最近の<標準仕様>で問題はないと考えます。
建売住宅の場合には、『建築基準法』の第1条の目的である最低の基準ををクリアしているだけで、残念ながらこのような配慮はなされていないのが普通です。
 計画建物    = 35坪(115㎡)
 坪当の施工費 = 60万/坪
 総工事費    = 2100万円
 増加コスト   = 210万円

大雑把な計算ですが、良心的な公務店であれば納得するはずです。

ここで長々と述べてきたことを総括すると、『地震に強い家を計画』することは、結果として台風や耐用年数、火災にも強い建物になるということです。
しかし逆は真ならずで、台風や火災に強い家が地震に強い家になるかといえば、ならないところが面白いとも言えます。

この建物の目標値は烈震に遭遇したとして、建物にひび割れ等が発生したとしてもその被害を修復可能の範囲でくい止めて、50年程度持たせることにあります。
従って、建物のデザインを優先して大きな<吹き抜け>を設けたり、床レベルに変化をつける為に<スキップフロアー>にしたり、平面計画に凹凸のある建物は地震には弱い建物となります。

強度とデザイン優先の建物とは、本質的に両立しにく関係にあります。
造ることは可能ですが、かなりのコストアップと技術力のある施工者が必要になります。
建て主は、最初に「見た目」か「安心」かの基本的な二者選択に迫られます。

この提案は、地震に強い建物をつくる為のほんの提案の一部です。


【ここから少しコマーシャル】

より具体的なアドバイスが必要で、ある程度のプラン等がまとまっている方は、地盤調査データー、建物のプラン、敷地測量図、見積書、構造計算書等をご持参ください。

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                                        以上です。

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