その14

◆判例  平成九年(行ツ)第二四号 平成一一年一〇月二六日第三小法廷判決 
     開発行為許可処分取消等請求事件



判例  平成九年(行ツ)第二四号 平成一一年一〇月二六日第三小法廷判決 
     開発行為許可処分取消等請求事件

要旨:

 市街化区域内にある開発区域において開発許可に係る工事が完了し検査済証が交付された後においては予定建築物について建築確認がされていないとしても右許可の取消しを求める訴えの利益は失われる。

内容:

件名

開発行為許可処分取消等請求事件(最高裁判所平成九年(行ツ)第二四号平成一一年一〇月二六日第三小法廷判決、棄却)

原審

福岡高等裁判所


主    文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理    由

 上告代理人八尋光秀、同城台哲、同池永満、同幸田雅弘、同名和田茂生、同石渡一史の上告理由

 第一について

 原審の適法に確定したところによれば、(1) 被上告人株式会社パスコ(以下「パスコ」という。)は、昭和六三年一〇月一九日、被上告人福岡市長(以下「市長」という。)に対し、市街化区域内にある土地を開発区域として、都市計画法(平成四年法律第八二号による改正前のもの)二九条に基づく許可を申請し、被上告人市長は、同月二五日付けでこれを許可(以下「本件許可」という。)した、(2) 被上告人パスコは、本件許可に係る開発行為に関する工事を完了し、被上告人市長は、被上告人パスコに対し、同法三六条二項に基づき、平成三年六月二四日付けで検査済証を交付した、というのである。
 右事実関係の下においては、本件許可に係る開発区域内において予定された建築物について、いまだ建築基準法六条に基づく確認がされていないとしても、本件許可の取消しを求める訴えの利益は失われたというべきである(最高裁平成三年(行ツ)第四六号同五年九月一〇日第二小法廷判決・民集四七巻七号四九五五頁参照)。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、論旨は採用することができない。

 同第二について

 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係の下においては、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥田昌道 裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判官 金谷利廣)




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